9月も終わりですね。
私の地元新潟では朝晩は随分と過ごし易くなり、秋の気配も感じられる様になってきました。
では、2025年9月のメモです。
今月の気になった音源達です。
1.Rotem Sivan:「Heart Thieves」2025.8 release
現代ジャズ・ギターの第一人者である、ロテム・シヴァンの最新作。ハミッシュ・スミス(Ba)とミゲル・ラッセル(Dr)のトリオ編成で奏でられる今作は、静かに、穏やかで、優しく、美しくて、時折メランコリックなサウンドです。その理由はここ(https://www.rotemsivan.com/press)にあります。
昨年暮れに生まれたロテム・シヴァンの双子の姉弟、生まれて間もなく脳腫瘍が見つかり闘病している弟エデンと、その姉ジジへの思いが綴られています。
Heart Thieves Trailer (Eden's Documentary)
Eden
2.Robert Glasper:「Code Derivation」2025.8 release
昨年9月にApple Music限定でリリースされた音源がようやく他のサブスクでも解禁。
グラスパーのバンドによるストレートアヘッドなJAZZと、そのトラックをグラスパーが選んだプロデューサーがサンプリングし再解釈した2つのバージョンをセットで収録したアルバムです。私はApple Musicを使っていないので今回初めて聴きましたが、JAZZとヒップホップの類似性というか相性の良さが良く分かる作品集だなと感じただけでなく、改めて「グラスパーによるストレートアヘッドなJAZZ」の良さを再確認できました。
3.Orions Belte:「Pur Jus」2025.8 release
ノルウェーの3人組、Orions Belteによるニューアルバムがリリースされました。
私は、ギターインスト系のバンドではこの3人組が一番好きなのですが、如何せん日本での情報量が少なくて困っています。今作は歌モノが多めな印象。音源を聴いていて「ここどこ? 今はいつ?」な感覚に陥りますが、「音楽に国籍や時代性には何の意味も無いな」という事を教えてくれるバンドです。いつかフジロック来てください。
Orions Belte on Audiotree Live (Full Session)
4.Torsten Goods:「Soul Deep」2025.9 release
私が10代の頃に大好きで聴いていたフュージョン。それをさらに洗練してソフト&メローなイージーリスニングに仕立てたのが「スムースジャズ」であるという認識を持っていました。ただ「なんかジジ臭えな」という偏見があって、30代以降は敢えて避けてきました。(まあ、自分自身でもAORとの線引きが曖昧だなとは思ううのですがw)
で、Spotifyにおススメされたドイツ出身のジャズギタリスト・シンガーソングライター「Torsten Goods(トルステン・グッズ)」も、初聴きで「これは(私の基準で)スムースジャズだな~」と感じたのですが、グイグイと引き込まれる魅力がありました。メロウな歌声で、ギタープレイはジョージ・ベンソンを洗練して甘くしたような感じ。
話は変わりますが、私が20代の頃、三十路を迎える先輩が、「俺も30歳になるから、そろそろポール・モーリアでも聴くかな」と言ってて、それを聞いて爆笑したのですが、「年齢で聴く音楽を変えるって変だよな。だったらそれに抗いたいな。」と思いました。それもあってスムースジャズへの偏見が生まれたのですが、トルステン・グッズのこのアルバムを聴いて「なるほど、俺もこういうサウンドが馴染む年齢になったのか。」と感じた瞬間に、先輩の「ポール・モーリア発言」を思い出して、噴き出してしまいましたw
So Deep, Soul Deep // Torsten Goods ft. Incognito (Official Video)
5.SIRUP:「OWARI DIARY」2025.9 release
SIRUPの約4年半振りとなるオリジナルフルアルバムです。
そんなに彼の楽曲を聴き込んでいるわけでもないのですが、今作のラストを飾る「今夜」を聴いて、以前にも増して歌声に深みが出てきた様に感じました。「凄み」と言っても良いかもしれません。
SIRUP - 3rd Album『OWARI DIARY』(Official Trailer)
今夜
6.CRAZY KEN BAND:「華麗」2025.9 release
横浜が誇る東洋一のサウンド・マシーン「クレイジーケンバンド」。毎年アルバムをリリースしてますよね? 通算25枚目です。
いやしかし、新作を聴く度に引き出しの多さに感嘆します。アルバムラストを飾る小野瀬雅生によるボーカルの「とまれみよ」が秀逸! ロック~ファンク~R&B~ラテン~昭和歌謡と来て、最後は60年代後半~70年代前半のサイケデリック・ロックですよ。もう、何事かとビックリしましたw
それと「クラブ国際」は奥津マリリさんがデュエットしたらどうなるだろうと、妄想が止まらなくなりますねw
クレイジーケンバンド / LOVE
Club Kokusai
Tomaremiyo
7.CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN:「CHO CO PA:EAST ASIA oldies EP」2025.8 release
チョコパの新作音源集は東アジア・オールディーズ集。「リンゴ追分」は以前TikTokで制作風景(笑)が公開されていましたが、漸くフルで聴けるのか!
この子達、本当に良いな。東アジアとラテンと電子音楽をしっかりと理解して再構築しながらもユルい感じが、細野さんの正統的後継者と言っても過言ではないが、それは言わずもがなね。
リンゴ追分
8.藤井風:「Prema」2025.9 release
藤井風の3枚目のオリジナルアルバム。今作について、「燃え尽き症候群に陥っていたが、自身を奮い立たせるために、これが遺作になっても後悔しない様に、27クラブのメンバーと肩を並べられるような作品にするべく27歳までにリリースしたかった」と何処かで語ってたと思うが、元ネタを思い出せない。
ただ、海外のインタービュー記事を漁ると、自身の考えを端的に伝えていることが分る。日本のメディアも目を通すと良いと思う。特に女子SPA!のライター(謎w)
https://www.nme.com/features/music-interviews/fujii-kaze-prema-interview-3890259
https://www.mixedfeelings.earth/p/fuji-kaze-prema-album-interviewwww.mixedfeelings.earth
「6.Something you think is wildly underrated.
Being spiritual. In Japan, I don't see many people who are very spiritual. But spirituality is a very, very important part of my life.」
特に、このインタビューを読むと、この日本に於いて、彼のバックボーンになっているスピリチュアリズムやヒンドゥー哲学が伝わらない『もどかしさ』を吐露しているように思われます。
全編英語の本編はどれも素晴らしい楽曲ばかり。特に、タイトル曲の「Prema」のサビ前からサビへの展開が好きです。その他、サム・ウィルクスが参加した6/8な「It Ain't Over」では、藤井風のアルトサックスも聴けます。なにより全体の音の質感が洋楽そのものですね。
で、初回盤に付いているDISC2では、前作「LOVE ALL SERVE ALL」以降の楽曲が収められているのですが、その中の新曲「It’s Alright」が素晴らしいです。端的に言えば日本のトラディショナルミュージックとソウルミュージックを融合しているのですが、歌われている内容は彼の心の叫びだと思いました。
Fujii Kaze - Prema [Official video]
9.XG:「GALA(Single)」2025.9 release
やられました。とうとう私もXG沼にハマりそうで怖いです。
1stフルアルバムからの先行配信シングル「GALA」。意外にも、まだアルバムを出していないのですね。なので、今月はSpotifyのプレイリストで集中して履修してました。
彼女達、全員日本人だけど、韓国人プロデューサーで事務所も在韓国のため、K-POPアイドルと比べられると思うけど、敢えてそちら側のフィールドで戦っていない印象があります。見た目のイメージも揃えてなくて、バラバラな個性を際立たせてグループ全体でグルーヴを醸し出している様子がフィロのスと同じなので、そこに魅力を感じるのかもしれません。
XG - GALA (Official Music Video)
■お疲れ様でした■
私のミューズ「Perfume」が今年限りで活動を休止し、「コールドスリープ」に入ることを発表しました。先日(9/22-23)の東京ドーム公演が活動休止前最後のライブになってしまいました。
まさかこんなことになるとは思ってもいなかったので、チケットも取っていなかったのですが、配信があってとても助かりました。演出のメインは「ネビュラロマンス」のストーリーを辿るものでしたが、それとは別に『Perfumeの掟』再演で自分達なりの閉じ方が出来たのだろうなと思います。それは、オーラスでステージから捌ける際に、最初のドーム公演の登場シーンの逆戻りを行う演出にも表れていたと思います。
おそらく、昨年の「ネビュラロマンス前篇」リリース時には既に「コールドスリープ」に向けて準備が進んでいたのでしょう。結成25周年、メジャーデビュー20周年の節目の年に決断できたのも、彼女達にとって良い事だったに違いありません。25年間止まることなく走り続けてきたわけですから、休むことも大事です。将来の活動再開を約束しての休止宣言ですからね。何時の日か「解凍」される日を夢見て過ごしたいと思います。
長い間お疲れさまでした。そして、いままでありがとう!!!
お体に気を付けてお過ごしください。