THE SOUND OF SECRET MINDS

LSTDのブログです

2024年2月の備忘録

3月ですね。
突然春の陽気になったかと思えば急に真冬の寒さに戻ったりと、何だか良く分からない気候の2月でしたが、いかがお過ごしでしょうか?

では、2024年2月のメモです。
今月も周回遅れになりつつ、気になった音源です。
何気にライブ音源が多め?



1.The Yussef Dayes Experience:「Live From Malibu」2024.1 release


もはや、UKジャズ界の最重要人物と言っても過言ではないジャズ・ドラマー「ユセフ・デイズ」のバンド『The Yussef Dayes Experience』による、2023年にマリブ山脈で行われたパフォーマンスを収録したライブ音源。メンバーはユセフ・デイズ(Dr)、ロッコ・パラディーノ(B)、イライジャ・フォックス(Key)、ヴェンナ(Sax)、アレックス・ボート(Per)。このバンドで2月にブルーノート東京でライブを行ったんですね。観たかったなー。
ユセフ・デイズのプレイって軽快で粒立ちの良いドラミングで、ジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」におけるリチャード・ベイリーのドラミングを彷彿とさせますね。JD・ベックのソレも同じですが、パワフルにドコドコとタムを回すのではなく、スネアを小気味良く刻むドラミングが大好きなんです。
ユセフ・デイズは7月にフジロックへの出演も決まっていますし、彼の活動から目が離せません。


The Yussef Dayes Experience - Live From Malibu





2.羊文学:「羊文学 Tour 2023 "if i were an angel," 2023.10.03」2024.1 release


2023年9~10月に行われた全国ツアー「if i were an angel,」のZepp Haneda(東京)公演より9曲が収められたライブ音源。
私は昨年のフジロックで初めて羊文学のライブを観たのですが、あの感動が蘇ってきます。野外とホールでは音の響きや拡がりは異なるけど、羊文学には3ピースバンド独特の空気感がありますよね。シンプルで音と音に『行間』がある感じ。特に羊文学の場合は力任せに楽器を掻き鳴らしていないので、更にそれが際立つと思います。大好きです。


羊文学 - more than words (Live)×360RealityAudio| スペシャルビデオ





3.iri:「iri Plugless Tour Live at 昭和女子大学 人見記念講堂」2024.1 release


2023年11月17日(金)開催された『iri Plugless Tour』の初日公演、東京・昭和女子大学 人見記念講堂でのパフォーマンスを完全収録したライブ音源。
iriは一度は生でライブを観てみたいアーティスト。ライブ映像を見るとギターで弾き語りをしたり、パフォーマンスもイイんですよね。これはステージを想像しながらじっくりと聴きたい音源です。



iri - 24-25 from iri Plugless Tour at 昭和女子大学 人見記念講堂 2023/11/17 (Official Audio)





4.Fearless Flyers:「The Fearless Flyers IV(EP)」2024.2 release


Vulfpeckの兄弟的バンド『Fearless Flyers(フィアレス・フライヤーズ)』。以前からこのブログでも取り上げていますが、メンバーはVulfpeckのジョー・ダート(b)、コリー・ウォン(g)、スナーキー・パピーのマーク・レッティエリ(g)、グラミー賞にもノミネートされる実力派ジャズドラマーのネイト・スミス(ds)の4人。強烈にタイトでミニマルなファンクを聴かせてくれます。このバンドは、マーク・レッティエリの弾く芯のあるバリトンギターの音色と、コリー・ウォンの超絶なカッティング・ギターのコンビネーション、そしてジョー・ダートの派手さは無いけどツボを押さえたタイトなグルーヴと、ネイト・スミスのミニマルなドラムセットから繰り出される強烈なグルーヴの相乗効果を楽しむのが好いのです。ギターとベースをスタンドにセットして直立不動のまま演奏しているのも面白いよね。
今回の音源はニューヨークのBlue Noteでのライブ音源をそのまま収録した(?)ものなので、ライブ映像と共に楽しみましょう。


The Fearless Flyers IV | Full Album





5.Kassa Overall:「ANIMALS」2023.5 release


「Kassa Overall(カッサ・オーバーオール)」
この名前を初めて目にしたのは、ルイス・コールのアナログ盤を買った時に、各種チラシと共に同梱されていたリリース告知のフライヤー。長い事気になっていたのだが、音源も含めて詳しく調べる事も無く時は過ぎてしまった。それが先日、録り溜めていたスカパーの「朝霧JAM '23」のライブ番組を何気に観ていたら↓のライブに遭遇し、そのパフォーマンスに度肝を抜かれてしまいました。
で、今回は昨年リリースされたアルバム「ANIMALS」を聴いてみたのですが、とにかく「体験して!」としか言い様がないアルバム。熱くて黒い塊がゴゴゴゴって迫って来ると言うか。これ、初めてフライング・ロータスを聴いた時と同じような感覚。
カッサ・オーバーオールはドラマーですがラッパー/トラックメイカーでもあり、ジャズとヒップホップの融合を自ら体現しているとも言えるのですが、音源を聴いたりライブ映像を観るとそれは最早紛れも無いジャズだと思います。いや、もう「ブラックミュージック」と言った方が良いのか?

それと、ライブ映像を観て衝撃を受けたのが、バンドメンバーとして参加しているサックス奏者のトモキ・サンダース。カッサ・オーバーオールがラップしている時はイイ感じのグルーヴでドラムを叩き、カッサと交代した後はソプラノサックスをバリバリ吹き倒す。何なのこの人? え? ファラオ・サンダースの御子息? お母さんは日本人で、水戸に住んでいた?

tokion.jp

portraits.jp


KASSA OVERALL - Prison and Pharmaceuticals @ 朝霧JAM’23


Kassa Overall - Ready To Ball (Official Audio)





6.Rosie Frater-Taylor:「Featherweight」2024.12 release


ロンドンを拠点にするジャズギタリストにしてシンガーソングライター「Rosie Frater-Taylor(ロージー・フレイター・テイラー)」の3rdアルバムです。
曲調はネオソウルからフォークまでバラエティーに富んでいますが、彼女の「JAZZ」が感じられます。ギターソロとユニゾンスキャットするのが渋いんですよね~。
ボーカリストとしての声質とジャズギタリストとしての確かな腕。私の場合、どうもオスカー・ジェロームと重ね合わせて見てしまって申し訳ないとは思うのですが、今一番注目している女性ギタリストです。


Rosie Frater-Taylor - Hold the Weight (Live From The Old Joinery)





7.マハラージャン:「ゾーンに入ってます。(EP)」2024.2 release


マハラージャン、以前から気になっていたのですが、私の推しベーシストの山本連とまきやまはる菜が参加しているので聴いてみました。良いですね! 面白いわこの人。特に、最近私が天才として注目しているケンモチヒデフミとの共作「ラジオネーム オフトゥン大好き」は、似た者同士による相乗効果が素晴らしい! 『この二人が居る限り、日本のエンタメは大丈夫』という全く根拠のない安心感が湧いて来るくらいに素晴らしいです。


マハラージャン - ゾーンに入ってます。 [Official Music Video]


マハラージャン - ラジオネーム オフトゥン大好き (feat.ケンモチヒデフミ)[Official Music Video]





8.yuigot:「Guidebook」2023.12 release


「yuigot(ユイゴ?)」。
確か、長谷川白紙関連で初めて目にした名前だったと思う。『DJ yogurt?』と空目して気になったので名前は憶えていたのですが、今回フィロのスのメジャー2作目のアルバムリリースに向けたインフォメーションで楽曲製作者の一人としてyuigotの名前を見つけて、これも何かの縁と感じて昨年末にリリースされたアルバムを聴いてみました。
この人、Maltine Recordsを中心としたネット界隈でメインストリーム(メジャーなシーンまたは一般大衆)とは違う所でバズっていく、正にZ世代を代表するような才能だと思いました。本当にキラキラして眩しいもの。羨ましくもありますね。


yuigot 1st album"Guidebook"teaser





9.E.scene:「わたしと私(Single)」2024.2 release


新潟を拠点に活動するネオ・ソウルバンド「E.scene」の、久しぶりな新作音源。
CHIPPI(Ba)とYoshinao(Dr)が紡ぎ出すクールなグルーヴの上で漂う真琴のスモーキーなボーカルが心地良い。二つの曲を繋いだような構成も今っぽくて新鮮。
昨年は地元新潟での凱旋ライブを観る機会を逃した(チケットを買っていたのに仕事で行けなくなった)ので、今年こそは何処かで彼らのパフォーマンスが観たい!


E.scene - わたしと私 (Official Audio)





10.RYUTist:「君の胸に、Gunshot(Single)」2024.2 release


3人体制になったRYUTistの最新楽曲は、なんとD.A.N.のフロントマンである櫻木大悟が担当。
でも、全く驚かない。RYUTistっぽいな、と言うか「これがRYUTistだな」と感じた。オルタナティブが似合うアイドルだもの。某大所帯アイドルが歌う様な、いかにもアイドル然とした所謂アイドル・ポップより何万倍も、君島大空、蓮沼執太、石若駿、Kan Sano、パソコン音楽クラブ、そしてD.A.N.(櫻木大悟)などの一癖も二癖もあるアーティストが創るオルタナティブなポップ・ミュージックの方がこの子達に似合っていると私は思う。ずーっとこの路線を維持して欲しい。
なので、この楽曲は是非『Kompakt』からアナログ盤をリリースして欲しい。(Gui BorattoKAITOさんにリミックスをお願いして)


RYUTist - 君の胸に、Gunshot【Official Video】作詞・作曲・編曲 : Daigo Sakuragi





11.フィロソフィーのダンス:「GO SURVIVE(Single)」2024.2 release
12.フィロソフィーのダンス:「ムーピー・ゲーム(Single)」2024.2 release


3月リリースの新体制初(メジャー2nd)のアルバムより2曲先行配信。
「GO SURVIVE」はWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)とのタイアップで、新たなリーグテーマ曲なのかな?
Kinami Umi(作詞・編曲)、Yutaka Shoji(作曲)による楽曲。四つ打ちディスコ・ファンク。東京女子流にも楽曲を提供しているKinami Umiの編曲が良いね。Royal Mirrorball(松井寛)さん直系な感じが好い!

「ムーピー・ゲーム」は児玉雨子(作詞・作曲)とyuigot(作曲・編曲)による、手塚治虫の『火の鳥 未来編』で描かれる「ムーピー・ゲーム」をモチーフにした楽曲。これは多分、メジャーデビュー以降数ある楽曲の中で、TOP3に入るくらい聴きまくっています。yuigotの手掛ける5つ打ち(ジャージー・クラブ)のキラキラした可愛いトラックの上で跳ねるボーカルの力の抜け具合が良いですね。特に、間奏の浮遊感と、2:13辺りの日向さんの「宙へ Fly High!」な場面転換、そして、2:39の木葭さんの「君の代わりなどいない」の男声が私的ハイライト。
この楽曲、配信ジャケットからし手塚治虫事務所公認なので、まんま『火の鳥 未来編』なMVも期待しています。