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THE SOUND OF SECRET MINDS

LSTDのブログです

『Spending all my time』 : Perfume

初めにお断りしておきます。今回は(も)辛口ですw


Perfumeの新曲がEDM?」

『Spending all my time』が初オンエアされてから界隈で話題になっていましたね。ユニバーサルJの偉い人が以前「Perfumeは今のままで海外に行く」と言っていたのに、現在の世界標準であるダンスフォーマット『EDM』に英語詞を載せてきて、「あれれ? 移籍2作目にして急遽路線変更なのか?」と。

ところで、EDMって何ですかね。
iLOUDの特集ページ(http://www.iloud.jp/special/edm.php)をご覧いただくと解るように、EDMとは『Electronic Dance Music』の略。ド派手なエレクトロ・ハウスが主体のアゲアゲなパーティ・チューンですね。
私、この辺はホント疎くてですね、なにせ先日のエントリで「セレブでゴージャスなプールサイドパーティにハマーのリムジンで乗り付ける的なモノが苦手」と書いていましたが、EDMって正にそんなシチュエーションでセレブDJが回している音楽っていうイメージじゃないですか。って、かなり偏見と誤認が入っていますけど(笑)。当然、興味の対象外になるので、殆どチェックしていないんですよね。
まあ、この辺は趣味の問題で人それぞれですから良し悪しについてはとやかくは言いませんし、まして聴き込んでもいないので評価もできないですし。あくまでも「趣味に合わない」というところで御勘弁願いたいわけです。
そう言えば以前から「イビサに行きたいなー」とか某所で発言していますが、コレってイビサの大箱で掛かっていそうな音楽でもありますね。あ、自己矛盾!!
Tiestoも、deadmau5も、Kaskadeも、5年前は別の事(普通にダッチ・トランスや、プログレッシブ・ハウスや、ディープ・ハウスなどの割と私好みな音楽)をやっていたような気がするのですが、みんな挙ってEDMに参入している現状を考えると、やっぱシーンが変わったんでしょうね。
基本的にプログレッシブ・ハウス好きな私なのですが、もうついて行く気力も無い(笑)。

Perfume - Spending all my time -

『Spending all my time』聴いてみましたよ。

結局、EDMなのは「ジャージャー、ジャーッジャッジャ」っていう特徴的なシンセのリフではないかな。あの音の質感とノリ。それに全てが引き摺られている印象ですね。あのリフが無ければいつも通りの「ん? capsule?」的な中田節に聴こえそうだな、という感想です。なのでコレはEDM風と捉えるべきかなと。
それよりも、イントロからシンセのリフに続く『安っぽさ』とは裏腹に全体的に礼儀正しく小奇麗に纏まった印象で、このあたりの「どのようなトラックになろうとそれをPerfume色に変えてしまう彼女達の声質」は本当に素晴らしいなと。
『プラスチック』と表現されることもありますが、私はむしろ『スポンジ』なのかなと思います。玩具箱をひっくり返したようなガチャガチャした音でも、安っぽくて下世話に聴こえる音でも、それらを全て吸収してキュートかつエレガントな姿に変えてしまう圧倒的な力。Perfumeは相変わらずですね。

この曲、ユニバーサルJは中田に対して「Perfumeを世界のメインストリームであるEDMのシーンに乗せてくれ」とオファーを出したのでしょうか? もしそうだとするならば、ちょっと厳しい見方をせざるを得ないかな。Electronic Dance Musicを謳うにはメリハリが乏しくて沸騰点がぼやけている印象があるんですよね。
前述したiLOUDの特集ページで紹介されている様な本家EDMと『Spending all my time』を並べてみてどうですか? 海外のマーケットでElectronic Dance Musicとしてリリースするという事は、あのようなド派手な楽曲と真っ向勝負をしなければならないわけです。iTunesの1分足らずの試聴で一見さんにその先の購入ボタンをクリックしてもらえるのかなぁ。一見さんだらけの欧米のダンスフロアに火を点ける事が出来るのかなぁ。「陣営は本当にこれを海外のマーケットで売る気があるのか?」とちょっぴり心配したりしています。
さらに、Perfumeの場合は3人のダンスが加わって初めて楽曲が完成するという総合芸術としての側面があるので、ライブパフォーマンスを見ないことには全てを体験したことにならないというのも、もどかしいですね。それにこの曲は「テレビではやらない( = 海外のリスナーがYoutubeでダンスパフォーマンスを観られない:違法w)」と宣言されてしまっているし。つまり、ライブに行かない限りは完成品を拝む事は出来ない。
(ビデオクリップとライブパフォーマンスは別物)

海外のリスナーにアピールするには色んなやり方がありますが、今回の「メインストリームに乗る」手法はぶっちゃけどうなんでしょうね。私個人としてはVMAJ2012のオープニングパフォーマンスの様な「和と洋のエレガントな融和」にヒントがあったと思っているのですが、ま、私はプロデューサーでもなんでもないので止めておきます。
しかし、ナタリーのインタビュー(http://natalie.mu/music/pp/perfume03)を読んでいただくと分かるように、今回、彼女達は『全編英語詞』を持ってきたヤスタカに対して、「ちょっと待って!」とダメ出しをして、日本語詞を入れるように手直しさせています。自分達の意思をはっきりと伝えて、パフォーマーとしてのプライドを持って音楽プロデューサー『中田ヤスタカ』と向き合っています。ポリリズムの頃は「出されたものをそのまま演るのがアイドル」って言っていたのに、自らその定義を超えたのね。セルフプロデュースが出来るアイドルに成長したわけです。ええ、3人娘も大人になりました。



さて、カップリングですが、、、
『ポイント』は中田にしては珍しいドラムン。ドラムン好きな私としては楽しみにしていた楽曲ですが、ドラムン好きなだけに注文を付けたくなる所は当然あります。でも、ま、いいや。『Spending all my time』に対して厳しい事を言っちゃったから(笑)。新しい事に挑戦する所に価値があるわけだし、世界も広がる。

『Hurly Burly』は今回の3曲の中では一番良いですね。しっかりとしたコード使いもあるし、『Spending all my time』が勢いで作った感があるのに対して、こちらはちゃんとトラックを作り込んでいる印象。私的にはGLITTER以来の佳作なハウスですね。好みです。でもなんとなく「これ、きゃりーの没テイクだったら怒るよw」的な印象も否めません。困ったなあ(笑)。


今回のシングルの全曲を通した感想ですが、なんか「中田はPerfumeでは上からの注文が多くて自分の好きなように出来ないもんだから、モチベーション下がっているのかなぁ」という感じでした。かつてポリリズムで徳間の偉い人達を説得してまで自身の思いを貫き通した頃の中田ヤスタカに帰ってきて欲しいなあ。(ってか、その結果がEDMなのかも知れないけど。)