もし現世を離れる事になって、あの世に3枚だけお気に入りのアルバムを持って行くことを許されたとしたら。
1枚は既に決まっている。
それは、ザ・バンドの1968年のデビューアルバム「Music From Big Pink」だ。
僕がこのアルバムを聴いたのは大学生の頃。アルバムのリリースから10年以上経ってからだ。すでにザ・バンドが解散した後である。
ザ・バンドについては、このアルバムに収められている「THE WEIGHT」が以前から大好きで、FMからエアチェックした音源を良く聴いていたのだが、アルバムそのものは聴いた事がなかった。しかし、大学進学で郷里を離れる際に姉が友人からLPをダビングしてもらったカセットテープを餞別代りに貰ってからは、一人暮らしの生活の中での愛聴盤になった。
このアルバムの何が良いのかと言われても明確に答えられない。ただ、一つだけ言えるのは僕にとって『精神安定剤』の役割を果たしてくれていたと言う事だ。10代最後の頃のモヤモヤ感だったり焦燥感だったり孤独感だったり、そんな感情に耐えられずに大声で叫びたくなるような状況に陥った時にこのアルバムを聴くと、『ふーっと、憑き物が落ちて行くような』感覚がして心が落ち着いたものだ。何故かは解らないが心の拠り所になっている気がするのである。だから、あの世に持って行くとなると真っ先にこのアルバムを手にするだろう。
The Band - Music From Big Pink -
ついでと言ってはなんだが、このアルバムについてのドキュメンタリーを見つけたので貼っておく。ピーター・バラカンが語っている。
SONG TO SOUL 「The Weight : The Band」
2枚目は矢野顕子の「ごはんができたよ」である。
このアルバムを聴くと高校生の頃の甘酸っぱい思い出が蘇るが、感傷に浸りたいからではない。自分の未熟さから相手を傷つけ、自己嫌悪にさいなまれて自暴自棄になりかけたときに『救われた』アルバムなのである。これは御守りとして身に着けておきたいという思いからだ。
矢野顕子 - ごはんができたよ -
3枚目はまだ決めていない。
候補は、高橋ユキヒロのデビューアルバム「サラヴァ!」か、Perfumeの「Complete Best」か。早い話が『思い入れの強さ』なのだが、多分あの世に行くまでは決められないと思う。
高橋ユキヒロ - サラヴァ! -
Perfume - Complete Best -
あー、またどうでも良い記事をあげてしまったなー(笑)